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二次元裏@ふたば
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13/09/27(金)04:03:51 No.69053423
子供の頃小学校の遠足などでお弁当が必要な時は
うちで専属シェフとして雇ってた岡崎さんがいつも気合いを入れて作ってくれていた
5年生の時の遠足なんかは大きな重箱2段重ねの中に嗜好を凝らした料理がたっぷり詰め込まれてて
ちょっとしたお節料理みたいだった
でも重くて何度か途中で捨てようかと思った
僕は正直そんな凝った料理より田中くんのお弁当に入ってるでっかいおにぎりとから揚げのほうがうらやましかった
岡崎さんにから揚げを入れてねって頼んでみたが
入っていたのはなんか鶏肉にトリュフを挟んで揚げてある甘いソースがかかった別物だった
大人になったらいつか田中くんのみたいなから揚げを好きなだけ買って沢山食べるんだって夢を抱いていた
僕がから揚げ大好きマンになった理由はこんな幼少の思い出からきている
113/09/27(金)04:21:32 No.69053434
中学を卒業する間際に母から岡崎さんが僕の本当の父親だと聞かされた
ショックではあったがいつも家にいない父より僕も岡崎さんのほうが好きだった
卒業と同時に僕と母と岡崎さんは家を出て一緒に暮らす事になった
生活水準は下がったが岡崎さんは安い食材でやりくりしていつも美味しいごはんを作ってくれた
高校2年の時に母と岡崎さんは正式に結婚して僕も岡崎さんになった
岡崎さんはそれなりのホテルの厨房で働く事になり普段の食事は母が作る事になった
まずかった
しばらく地獄の日々が続いた
213/09/27(金)04:32:57 No.69053440
高校三年になると母の料理も次第に上手くなり普通に食べれる味になっていた
僕の進路について岡崎さんは大学に進学するよう言ったが僕は子供の頃の夢を早くかなえたかった
卒業と同時に僕は中国にから揚げの修業に一年留学する事にした
自分のわがままで行くのだから親の金に頼らないよう働きながら修業できる店を探した
就業ビザをとっていなかったのでまともな賃金は貰えないが
岡崎さんの紹介で食事つき住み込みで衣食住には困らないレベルの駄賃は頂ける店に巡り会えたのは幸運だった
まだ今ほど日中関係もこじれてない時代でそれなりに上手くやっていけていたと思う
でも岡崎さんが元父に頭を下げてそのつてを頼って紹介して貰った店だった事を後から店長に聞いた
313/09/27(金)04:43:12 No.69053444
一年後僕はなんとかから揚げを多少まともに揚げられるレベルになった
それから店長に紹介してもらった横浜の中華街の店で働きながら5年ほど修業を積んでから独立し
貯金を叩いて夢だった自分のから揚げ屋を始めた
カウンター席だけの小さな店だったが嬉しかった
店を始める前の夜初めて岡崎さんに料理人としての心得を教わった
何を教わったかは忘れたが教えてもらったという事だけは覚えている
最初はなかなか客足が伸びず苦戦したが次第にリピーターが通ってくれるようになり
10年後には店を大きくし人も雇えるようになった
413/09/27(金)04:52:58 No.69053457
だがいつまでも順調とはいかなかった
コンビニスナックに押され僕の店は次第に客が減り立ちいかなくなってきていた
そんな頃に岡崎さんが自分もホテルのレストランを辞めて独立するから一緒に店をやらないかと誘ってくれた
有り難かった
元あった店を潰し岡崎さんと新たに創作レストランを立ち上げた
開店資金はほとんど岡崎さんが出してくれた
僕は分割でお金を払うと言ったが
岡崎さんは君は前の店の店員をそのまま連れてきてくれるんだから別にいいと言って頑なに断った
513/09/27(金)05:05:01 No.69053465
なんなのこれ…
面白いし続き気になるけど寝ないといかん
613/09/27(金)05:05:47 No.69053467
岡崎さんは僕が料理の道に入ったその時からいつか親子揃って店をやれたら幸せだとずっと夢見ていたと言ってくれた
思えば僕は自分が岡崎さんになっても岡崎さんは岡崎さんで父親という感覚はあまりなかった
でも岡崎さんにとって僕は生まれた時から息子だったんだなとその時初めて親子という関係を意識できた気がした
新たな店は大繁盛とはいかないまでも給料を払って家族三人が食べていけるくらいには成功した
しばらくして僕は店員をしていた彼女と結婚した
あまり結婚というものに意識は向いてなかったのだが
家族でやってる店で彼女が店員をやっていれば自ずとそういう話になるのも自然な流れではあった
既に関係性が出来ていたおかげで嫁と姑の確執というのも無縁だった
713/09/27(金)05:13:53 No.69053470
結婚して2年後子供を授かった
僕は自分の生い立ちからふと気になってしまい
妻にほんとに俺の子供?と聞いてしまった
妻は1ヶ月口を聞いてくれなかったがそれが僕は少し嬉しかった
口を聞かずに清々したわけではなくてそれだけ自分を愛してくれているとわかったからだ
初めて店を開いてからずっと一緒に長い間苦労を共にしてくれた妻に失礼な事を言ってしまった
家族を大事にしよう
そう思った
10ヶ月後元気な男の子が家族に加わった
813/09/27(金)05:22:47 No.69053473
初めて息子の顔を見た時
この子にどんな弁当を作ってやろうと考えてる自分がいた
自分の子供の頃を思い出す
岡崎さんはどんな気持ちで無駄に豪華とも思える弁当を僕に作ってくれていたのだろう
息子の顔を難しい顔をして眺めている僕を見て妻が言った
「お父さんだね」
僕にはその言葉の意味は二つあった
妻もそれをわかって言ってるようだった
僕は父としての覚悟と
息子としての踏ん切りというかケジメというかそういうものの覚悟をその時決めた
913/09/27(金)05:32:29 No.69053477
妹は爆発した
1013/09/27(金)05:32:33 No.69053478
僕は意識してずっと岡崎さんを「お父さん」とは呼ばなかった
それは家族に裏切られたお父さん
昔僕がお父さんだと思っていた人に対する義理のつもりだった
僕はいつも家にいなかった父に対してあまり思い出もないし岡崎さんを軽蔑していたわけでもないが
でもそれは越えてはいけない一線だったのだろうと幼心に感じる物があった
それに自分を裏切った妻の血の繋がってない息子の夢のために
僕の父だった人はおそらくは細いであろう人脈を辿り異国の店を探して紹介してくれた
気にかけてくれていたのだと思う
だから僕は父だった人に会わなければと思った
岡崎さんを「お父さん」と呼ぶためには僕には必要な事だった
1113/09/27(金)05:44:06 No.69053485
状況は違うけど確かに継父をお父さんとか呼べなかったな…
1213/09/27(金)05:46:10 No.69053488
久しぶりに会った元々記憶に薄かった父だった人はまるで面影がないほどに老けていた
十数年ぶりに会った最初の一言は「元気でやっていたか」だった
なぜか僕はその一言で涙が溢れて止まらなくなった
いい歳をして泣く息子だったはずの男の頭を
彼は軽く手を置いてしわくちゃの手でわしゃわしゃと撫でてくれた
しばらく泣いた後僕はまずお礼を言った
家を出ていくその日まで育ててくれた事と修業の店を世話してくれた事を感謝していますと
他人行儀だが正直な気持ちで言った言葉だった
「そんな事はいい」
彼は僕の頭に手を置いたまま言った
顔を上げて見た彼の目にも涙が滲んでいた
1313/09/27(金)05:51:02 No.69053490
嫁に出来た子供が岡崎さんの子だったと思った俺は心が汚れてる
1413/09/27(金)05:56:04 No.69053491
それからこれまでどうしていたか結婚はしてるのか子供はいるのか
いろんな事を聞かれそれを答えた
答えながら僕が彼に対して感じていた義理の正体が何だったのかやっとわかったような気がしていた
彼はやはり僕の父親だったのだと僕自信が感じていたのだと思う
そしてそれに気づいて困ったのだ
僕は岡崎さんを父親と向き合うためにここに来たはずだったのだ
しばらく僕のこれまでの半生に対する質問に答えてそれが尽きた後
しばらくの沈黙の後父は僕に聞いた
「お父さんとは上手くやっていけてるんだな?」と
1513/09/27(金)05:57:30 No.69053492
俺も汚れてた
1613/09/27(金)06:01:22 No.69053496
>しばらくの沈黙の後父は僕に聞いた
>「お父さんとは上手くやっていけてるんだな?」と
決壊した
1713/09/27(金)06:01:28 No.69053497
上手くいってる
この上なく
だがそれをどう答えていいものか悩んだ後
僕は「うん」と短くうなづいた
「そうか…」
と父は短くそれに答えた
それから短く沈黙した後
「よかった」
そう言って少し口の端を上げて笑みを作った
1813/09/27(金)06:20:06 No.69053505
「私もあれからいろいろ思ったしいろいろ考えた反省する事も沢山あった」
父は穏やかな顔で僕を見つめて話した
「何周も頭の中をぐるぐるといろんな考えが浮かんだ正直恨み事が浮かんだ時間もそれなりにあった
僕は自分の気持ちに整理がつかず頭空っぽでただ父の言葉を聞くしかなかった
「だが結局はお前がどう生きてどうしてやるのが一番いいのかが大事なんだとそこに落ち着いた」
父は目に力を込めて言った
「親子家族が一緒に暮らすそれが一番いいと納得した彼は確かにお前の父親だった」
すこし目線を僕から外して続ける
「それをお前の修業先を頼みにきた彼の姿を見た時やっと自分は納得できた」
1913/09/27(金)06:29:25 No.69053509
自分が家族を奪った男に頼みに行くのだから余程真剣に頼んでくれたのだろう事は想像できた
「それにくらべて…私は父親ではなかった」
言葉を詰まらせる
「あんなにいろいろ考えて悩んで恨んだが…私はお前達を奪い返しには行かなかった」

それからの言葉は朧げながら聞いていた
仕事にかまけた自分の話
それを言い訳に家族をおろそかにしていたという話
おそらくそう自分に言い聞かせた話だろう
きっと僕が思うよりずっと長い間苦しんだのだろう
2013/09/27(金)06:44:27 No.69053524
別れ際父は二つ僕に言った
「元気でやれ」
「家族を大事にしろよ」
帰りの車中結局ぼくは今までの関係にケジメをつけられなかった事に気づきため息を漏らしていた
父はああ言ったがあの人は確かに僕の父親だった
そして岡崎さんもやはり僕のお父さんなんだと
それに僕がケジメとかつけられるのだろうか
あんなに想ってくれている人達を僕の一存で区切って考えるものではなかったのではないか
いろんな想いが頭をよぎる
だが会えてよかった
そう思った
2113/09/27(金)06:51:08 No.69053539
帰りに病院に寄って妻に抱かれる小さな息子を見る
妻は少し目線を僕に向けてすぐ赤ん坊に目を戻す
僕は隣に座ってじっとその姿を見つめた
小さな寝息が聞こえる
この子はまだ一人で生きていけない
いつかは自立するだろう
でもまだ生きていけない
「僕はなんと幸せだったのだろう」
呟いた言葉に妻が振り返る
2213/09/27(金)06:57:23 No.69053549
「ん?」
「今おじいちゃんは二人だけど…いつかこの子が大きくなって自立を考えるようになったら…お前にはおじいちゃんが三人いるって教えてやろうと思う」
「……」
そう言って小さな手をつまんだ
「…いいんじゃない?」
妻はそれだけ言った
2313/09/27(金)07:03:20 No.69053552
「おはよう親父さん」
翌日店に出て一発目に岡崎さんをそう呼んでみた
岡崎さんは目を真ん丸にしていた
「お父さん」か「父さん」か「おやっさん」か…なんと呼ぶか一晩悩んだ
父親を表す言葉なら何でも良かったのだが結局決めきれず
ぶっつけ本番で出た言葉は「オヤジサン」だった
割としっくりくる
いつか「サン」が取れて「オヤジ」になるかもしれないし
そうなればいいなぁと思う
2413/09/27(金)07:09:29 No.69053558
面白かった
なぜここでそんなものを読めたのかはわからない
2513/09/27(金)07:09:30 No.69053559
親父さんは目を丸くしたまま固まったが気にせず仕込み仕事に入る
もうあちらの父さんには会う事はないかもしれない
だが親父が何人いてもいい
自分を想ってくれているのだから
そして僕は親父に負けないよう僕の息子を育てよう
ちゃんと親父だと想って貰える親父になろう
それが僕のケジメだった

おわり
2613/09/27(金)07:12:23 No.69053561
イイハナシダナー
2713/09/27(金)07:12:33 No.69053562
ブラボー
2813/09/27(金)07:16:33 No.69053565
おはようからあげクン
2913/09/27(金)07:17:08 No.69053566
なげえよ
読む気しねえよ
3013/09/27(金)07:17:28 No.69053567
「僕」は家庭を顧みず働いた中学までの親父の遺産も
店まで開いてくれた岡崎さんの遺産も手に入れられるんだから
だいたい文句言う資格がない
中学までの親父に会いに行ったのも廃除されないための工作に見える
「おじいちゃんが3人」もとりっぱぐれないようにするつもりだろう
3113/09/27(金)07:26:55 No.69053575
「」ちゃんは心が薄汚れてるなあ
3213/09/27(金)07:33:43 No.69053578
うんこ漏らす話?
3313/09/27(金)07:39:21 No.69053585
普通の唐揚げ食いたかった…
3413/09/27(金)07:50:04 No.69053604
どこで妹が爆発するのかとやきもきしていたが
そんな事どうでもよくなるいい話でびっくりしたわ
3513/09/27(金)08:13:29 No.69053629
検索しても出てこないってことはまさか実体験なのか…
3613/09/27(金)08:14:04 No.69053630
なにココ
3713/09/27(金)08:16:28 No.69053635
いい話だ
でも中国の唐揚げってそんなに美味しいの?
3813/09/27(金)08:44:35 No.69053664
サックサクの酢豚とかうまいけどから揚げ単体なら日本のほうが上だと思う
3913/09/27(金)09:08:23 No.69053686
よかった
4013/09/27(金)09:32:43 No.69053714
>おわり
まで読んだ
4113/09/27(金)09:43:35 No.69053727
これがうわさに聞くdat文学
4213/09/27(金)11:54:09 No.69053886
面白かった
4313/09/27(金)12:13:31 No.69053927
一番ややこしくしたのはビッチマミーやな
あと何気に田中くん一家が人生最大の影響を与えたと言える
4413/09/27(金)12:17:30 No.69053938
>でも中国の唐揚げってそんなに美味しいの?
調理法は中国から来たとかなんとか
わざわざ唐揚げを持ち出した意味がよくわからんが
大事な部分で絡むのかと思ったんだがなあ
4513/09/27(金)12:28:25 No.69053947
異国の料理店で修行ってのがそもそもハードル高いから父親を頼るきっかけを作るための演出になるんじゃないか
しかし綺麗に終わったNTRだなぁ
4613/09/27(金)12:30:07 No.69053948
なんかユーリンチーってのを聞いたことある
ぐぐってみたらおいしそう
4713/09/27(金)12:43:50 No.69053960
ユーリンチーは近所の王将で食ったな
普通のからあげより好き
4813/09/27(金)13:06:28 No.69053993
あの兄ちゃんからあげしか食ってねえ
にいつオチるかと期待してたのに
4913/09/27(金)17:59:15 No.69054509
子供の頃が僕のケジメだった

おわり
5013/09/27(金)20:45:17 No.69055009
からあげ一つとってここまで話広げられる「」の才能が憎い
5113/09/28(土)00:56:36 No.69056248
数行で説明してくれ
5213/09/28(土)05:14:49 No.69056719
>なげえよ
>読む気しねえよ
そう言わず読めよ
意外といいぞ
5313/09/28(土)07:02:54 No.69056773
よんだ

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