Windows Vista から導入された UAC というものがある。それにともない、Administrator 権限を持っているユーザーであっても通常は制限された権限、必要なときは権限のエスカレーションを行う、といった *nix 的な作法に慣れていると無駄に複雑だなーと思える機構が導入された。同じユーザでもコンテキストによって権限が行ったり来たりするのである。
一方で Administrator 権限を持つアカウント、一般ユーザー権限のアカウントをそれぞれ作り、通常は一般ユーザーでログオン・作業し、必要なときは Administrator 権限を持つアカウントのユーザーのパスワードを入力する、という運用もできる。コマンドプロンプト上でのシンボリックリンクの作成が、こちらの運用方法じゃないと機能しないので、うちではそうしている。
さて数日前 VirtualBox の新しいバージョンが公開されたというので、一般ユーザーでログオンしている状態でダウンロードし、インストーラを実行させた。すると、インストール自体には成功して GUI のフロントエンドは起動するのだが、VM を立ち上げようとすると Kernel Driver が云々といったエラーで実行されなくなってしまった。また、extension pack を更新しようとしても、何やら権限が足りません的なエラーが出る。
これはおそらく前述の、一般ユーザーでログオン + インストーラ実行時に Administrator 権限のユーザーに仮想的にスイッチ、という環境特有のものなのだと思う。おそらくインストーラが複数のプロセスで構成されていて、子プロセスに正しく権限が継承されないまま実行されてしまっているのではないか? と考えて、Administrator 権限を持つユーザーでログオンしなおし、VirtualBox のインストーラを再度立ち上げ、修復インストールした。すると、一般ユーザーでログオンした状態でも正しく起動するようになった。